2026年5月 アメリカ移民法ダイジェスト
May 26, 2026
今月政府が発表した移民施策の内、日系企業に大きな影響を与えかねないものを纏めたダイジェストをお送りします。今回のトッピックスは、次のとおりです。
- 移民局が発表したAdjustment of Status申請に関する新しい方針について、外国人と雇用者が知っておくべきこと
- 国土安全保障省が、F/J/Iビザ保持者へ発行するI-94の有効期間記載方法を変更する最終規則を連邦政府へ提出
Adjustment of Status申請に関する新しい方針はマスコミでも大きく報道されていますが、弊所では現在その実質的な影響を分析し精査しています。この方針に関しては、今後も更に情報をご提供する予定です。
1. 移民局のAdjustment of Status申請に関する新しい方針について、外国人および雇用者が知っておくべきこと
概要
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- 移民局(以下、USCIS)は新しい方針覚書で、USCISを通じ米国内で滞在資格を永住ビザ(グリーンカード)へ移行する資格変更申請(Adjustment of Status 申請– AOS申請)を認めるか否かは、審査官の裁量の問題であると強調しています。同機関はUSCIS職員に対し、AOS申請の判断においては関連するすべての肯定的・否定的な要素を考慮するよう指示しており、申請者の履歴における不利な要因はAOS申請の承認に不利となり、代わりに海外の米国大使館・領事館で移民ビザ申請が必要になる可能性があると指摘しています。
- USCISを通じたAOS申請は依然として利用可能であり重要な永住権取得の手段ですが、今回の新しい政策ガイダンスにより申請者にとって手続きはより厳しくなる可能性があります。
- 弊所では新方針の実務的影響を分析しており、今後も最新情報とガイダンスをご提供してまいります。
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問題
米国市民権・移民局(USCIS)は、永住権へのステータス変更申請に関する新たな政策指針を発表しました。AOS申請は、既に米国にいる特定のグリーンカード申請者が国外に出国し海外の米国領事館で移民ビザの手続きを終えるのではなく、米国内に留まりながら手続きを完結できる方法です。
長年の法律と方針に従い、今回の新しい指針はUSCIS職員に対し、AOS申請の審査における職員が行使できる裁量権を改めて説明し、特定の事例の事実が米国での申請承認を支持するのか、それとも申請者が海外で領事手続きを通じて永住権を取得する必要があるのかを判断するよう指示しています。この指針は、海外の米国領事館での移民ビザの手続きに新たな重点を置き、AOS申請手続きは米国大使館で行う永住権取得手続きからの「特別救済」と位置づけています。
国内でAOS申請を行うことはできないとするマスコミ報道も多く見受けられますが、AOS申請は依然として利用可能であり、主要な申請方法です。今回のUSCISの方針は、グリーンカード申請者に対しAOS申請ができないとは言っておらず、USCIS職員がAOS申請を認めることも制限していません。AOS申請の提出は引き続き可能であり、また重要です。なぜなら、同申請が審査中の間、条件を満たす申請者は雇用許可や海外渡航の許可を申請できる可能性があるからです。
しかし、特に申請者に犯罪歴や法執行機関と問題があったり、移民ステータス違反、不法就労、非移民ビザで一時的な滞在者を目的に入国した直後にAOS申請を提出したり(HビザやLビザなどの二重意図(Dual Intent)が認められている非移民カテゴリーでは例外)、その他USCISが承認に不利とみなす可能性のある事実がある場合、すでに厳しいAOS申請手続きをさらに厳しくする可能性があります。 また、不利な要因が限定的であったり又は無い場合でも、USCISは申請者に対しAOS申請を認める強いプラス要素を提示することを求める可能性もあります。まとめると、現在および将来のAOS申請者は弁護士を通じ、USCISの審査官に対しAOS申請を認める値することを明確に且つ十分に文章化した主張をする必要があります。
今後の展望
弊所では、この指針が現在および将来のAOS申請者にどのような影響を与えるかを分析・評価しており、政府に対し、その実施についてより詳細を示すよう促していますが、覚書の影響が完全に理解されるまでには時間がかかる見込みです。 さらに、法的異議申し立ては覚書効力を一時停止または制限することもあります。 USCISが審査官に指示を出すため、一部の案件は遅延、監督審査、追加証拠請求の対象となることもありえます。
今後AOS申請の面接を受ける外国人は、移民弁護士に連絡し、この指針が面接準備や戦略にどのような影響を与えるかを相談してください。
2.国土安全保障省が、F/J/Iビザ保持者へ発行するI-94の有効期間記載方法を変更する最終規則を連邦政府へ提出
概要
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- 国土安全保障省(DHS)は、留学生、交換訪問者、外国情報メディアの代表者へi-94を発給する際の従来の方針を廃止し、具体的な滞在期間を明記するi-94を発給する規則の最終化を目指しています。
- 最終規則の内容は、連邦官報で公開されるまで明らかになりません。もしこの規則が提案通り最終決定されれば、F、J、Iの非移民は滞在延長を申請し、指定された入国期間を超えて活動を続けるために生体認証の検査を受ける必要があります。また、予め定められた滞在期間を超えて滞在すれば、不法滞在の対象となります。
- 今回の最終規則を通じ、移民局審査官に対し過去に政府が申請を承認した事実の尊重を義務付ける現行規則も撤廃するかどうかは不明です。
- 規制が連邦審査を通過すれば連邦官報に掲載され、そこから1~2か月後に発効となる見込みです。
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問題
国土安全保障省(DHS)は、Fビザの留学生、Jビザの交換訪問者、外国情報メディアの代表者およびその扶養家族にI-94を発行する際に、現行の「ステータス期間」(Duration of Status - D/S)とする政策を廃止し、具体的な滞在期間を記す最終規則を管理予算局(OMB)へ提出し審査を受けることになりました。OMBによる審査は、規則が連邦官報に掲載され実施される前の最後のステップです。
詳細
もし規制が提案通り最終決定されれば、F、J、Iの各ビザ保持者は特定期間の滞在だけが許されることになり、他の非移民ビザ保持者と同様に、留学・研究プログラム、雇用、任務を終えるために更に時間が必要な場合は、滞在延長の申請を義務付けられます。
また、最終規則はF、J、Iの非移民が不法滞在を開始する時期や方法の方針を変更する見込みであり、180日以上または1年以上不法滞在した外国人に適用される3年および10年の入国禁止に関する規則の適用対象にもなると見られています。現在、F、J、Iの非移民は、USCISまたは移民裁判官が正式に非移民ステータス違反と認定しない限り、不法滞在期間の蓄積が始まりません。もしこの規則が提案通り最終決定されれば、F、J、Iのビザ保持者は、他の非移民ビザ保持者と同様に、I-94に明記された滞在期間を1日でも超えて滞在すると不法滞在の蓄積が始まることになる為、I-94の期限管理がとても重要になります。
F、J、Iプログラムへのその他の予想される変更
F、J、Iの非移民に対して有期限の入国期間を課すことに加え、最終規則はこれらのプログラムに追加の変更を加える可能性があります。
F-1の猶予期間短縮: この規則により、現在の60日間の猶予期間を30日間の猶予期間に置き換える見込みです。猶予期間は、学生が就学プログラムや実習終了後にアメリカを出国したり、ステータスの延長や変更を申請したりするための準備をするために設けられています。
F-1のプログラムや専攻変更の制限: 提案通りに最終決定された場合、この規則は、ICEの学生・交換ビジタープログラム(Student and Exchange Visitor Program - SEVP)が特別な事情(例: 学校閉鎖や自然災害による長期間の授業不能)による例外を認めない限り、F-1学生がプログラムの最初の1年以内にプログラム、専攻、または教育レベルを変更することを禁止します。F-1大学院生は、プログラム、専攻、教育レベルの変更を完全に禁止されます。さらに、外国人が特定のレベルでプログラムを修了した場合、F-1ステータスで同じレベルまたはそれ以下のレベルのプログラムを受講することはできません。
延長期間中の海外渡航: 入国時に提示される書類の種類によりますが、延長申請中に海外渡航したF、J、Iの外国人は、前回の入国期間の残りの期間かまたは、延長申請で申請された延長期間の再入国が認められる可能性があります。前者のシナリオでは、出国したことで申請中の延長申請は放棄されたとはみなされませんが、後者の場合は保留中の延長申請はもはや不要とみなされます。
ステータス変更が保留中の海外渡航: この規則は、申請が保留中の外国人が米国外に渡航した場合、ステータス変更申請は放棄とみなされるというDHSの長年の方針を法制化する見込みです。
Iビザの適用範囲の定義: 外国メディアの代表者としてのIビザを取得する場合、この規則は外国メディア組織が外国に本社を置き、ジャーナリズム情報の定期的な収集、制作、または配信に従事していることを明確にすることを求めると予想されています。提案された規則の解説では、エンターテインメント目的で行う活動、例えばリアリティ番組への出演やパフォーマンスは、一般的にIビザの対象外であると指摘されました。
過去の裁定を尊重する規則廃止の可能性
この規則が提案された際、USCIS審査官がForm I-129を伴う延長申請の審査をする際に、請願者情報や申請の背景や事実情報に変更がなければ過去の移民局の承認判断を尊重するという現行規則をDHSは廃止しようとしました。規則の最終版にこの規定が含まれるかどうかはまだ明らかではありません。DHSがこの変更を、別の規則制定で推進する可能性の兆しもあります。
この規制が外国人や雇用主に与える影響
提案通りに最終決定されれば、この規則は影響を受ける外国人とその学校、交換プログラムのスポンサー、雇用主に対して新たなコンプライアンスおよび管理責任を大きく生じさせることになります。さらに、この規制により、USCISに提出される非移民ステータス延長申請件数が大幅に増加し、既存のUSCIS処理遅延がさらに悪化することが懸念されています。














